V-PROJECT.02
プレス機の振動から
電力を回収。

PROJECT
プレス機の周辺振動から電力を回収。
カーボンニュートラルに貢献する。
MEMBER
TOYOTA
金沢大学 V-Lab
トヨタ自動車はカーボンニューラルの工場の実現を目指しています。モノづくりの現場においては、様々な機械が動いています。この動力となるエネルギーを生成する過程でCO2が排出されています。これを回収し、地球に優しい工場をつくるのも企業の責任です。この目標に貢献すべく、金沢大学はトヨタ自動車と共同で,工場の機械で発生している振動からエネルギーを回収する技術を研究しています。モノづくり、特に成形加工においては、少なからず振動が発生します。一例として、大型のプレス機(写真)が発生する振動からエネルギーを回収する技術を開発しています。プレス機の振動は間欠的ですが、大きく広範に伝搬します。ここでプレス機の地下空間に配置された配管板に注目し、この下側にV-Generator (タイプL)を設置しました。その結果、配管板は、プレス成形動作時に20Hzの周波数で自由振動をしました。デバイスに付ける錘を調整し、共振をこの周波数付近に合わせることで、1回あたり0.2ジュールのエネルギーを取り出すことに成功しました。グラフはその時に電圧波形で、この電力でLEDが点滅する動画も示します。これにより43,2000回(=1.5V×20mA×800h/200mJ)の動作でアルカリ単1乾電池1本分のエネルギーを回収できることになります。デバイスを3台取りつけた実験も行いました。各々に付けたLEDが同時に点滅し、同期して発電していることがわかります。つまり台数を増やすことで、その台数倍でエネルギーが取り出せることを確認しました。プレス機周辺には大きな部材が振動している箇所もあります。より大きなデバイスを利用することで、より大きなエネルギーが回収できる可能性もあり、現在、これを検証しています。また工場には多種多様な機械が動いています。ここで働く人たちの安全、安心も重要です。振動発電で回収したエネルギーは、この安全・安心においても活用できるかもしれません。
以上、金沢大学はトヨタ自動車と共同し、生産現場における振動からエネルギーを回収し活用する技術を開発、カーボンニュートラルな工場の実現に貢献します。
プレス機
地下空間での実験の様子、配管板の振動を計測
動作時の発電で3色LEDが光る様子
発生電圧の一例。振動や錘に依存する。
3個のデバイスでLEDが光る様子。
同期して点滅していることがわかる。