振動発電とは
振動からエネルギーを作り出す画期的な技術です。
どのような振動や動きで発電できるの?
自動車や鉄道の振動 ☆☆
生産機械や工作機械の振動 ☆☆
橋の振動,揺れ ☆☆
押す,引くなどの動作 ☆
ボールがぶつかるなど物体の衝撃 ☆
波や水流,風 ☆☆
揺れ,重心移動 ☆☆☆
(☆ 難易度)
何ができるの?
LEDの点滅による注意喚起(安全)
(by 靴,道路,床踏み発電)
電池不要の無線センサ予兆保全(安心,省力化)
(by 工場機械,設備の振動発電)
電池の不要リモコン,病院,飲食店の呼び出し(便利)
(by ボタンを押す動き発電)
出入り通知(見守り,効率利用)
(by ドア動き発電)
衝撃や叩くと光る玩具や杖(安全,エンターテイメント)
(by 衝撃発電)
物体の衝撃通知システム(防犯,救助の迅速化)
(by 衝撃発電)
ほか 多数
電池を使わないメリット
電池を交換するのは手間です。
廃棄処理するのも面倒です。
電池切れの心配があります。
以上を気にする必要がありません。1個2個ならまだしも,10個100個となると馬鹿になりません。
防水が不要。
従来の振動発電
- 圧電式…力を加えると電圧を発生する圧電セラミックスを利用します。簡単に電圧は出ますが,電気抵抗が大きく電流を取り出すのに不向きです。材料が硬く脆いため,引張りや衝撃に弱いです。
- 磁石可動式…コイル中を磁石が動くと電圧が発生する電磁誘導を利用します。電気抵抗は小さいが,大きく振らないと電圧が出ず,高い周波数の振動に不向きです。
- 永久電荷式…電荷を吸着させた電極板の移動で電圧を発生します。低周波数の振動に適します。緻密な部品で構成されます。電気抵抗が大きく電流を取り出すには不向きです。
- 発電ゴムや摩擦発電などもあります。これらは電圧は発生しますが,実用電源としての利用は難しいかと思います。これは圧電や永久電荷式と同じ容量性の特性のためです。これらは直流で絶縁体で,小型のLED程度なら光りますが,そもそも電流を流す特性を有していません。つまり電力を取り出すための材料ではありません。電圧を発生するからよいと思われるかも知れませんが,回路を組み負荷を動かそうとすると,これが難しいことがわかります。センサとして利用を考えた方がよいです。
実用化のためには
- 大きな力または高い周波数の振動や動きで大きな発電ができます。
- 力が加わることから丈夫である必要があります。
- 発電する材料や機構の効率を良くし,それが全体に占める割合を大きくします。
- 部品を少なくします。摩耗する部分を含まないのが長寿命化のポイントです。
- 小さい電気抵抗を持つことで電灯や蓄電池などに効率よく電力を供給できます。
- 発電には振動を減衰させる効果が伴います。