振動発電の動画 (最新の動画についてはこちら)
発電機の評価結果 (2014年)
いろいろなサイズや構成のデバイスを試作しました。
右の図は1×0.5×12mmの磁歪素子を利用した小型の発電機(写真)を,共振周波数393Hzで振らせたときの時間応答です。1.2mm振幅の振動で磁歪素子の磁力線が1テスラの振幅で変化し,その変化で電圧が発生していることがわかります。開放電圧として1.5V,30Ωの負荷を繋げると瞬間電力と平均電力でそれぞれ12mWと2mWが得られます。体積密度に換算した発電量は20mW/cm3で,これは圧電材料の10倍以上の値です。
また右の図は,先端に糸で50gの錘をつり下げ,糸を切り自由振動を発生させた時の応答で,振動と共に電圧が発生します。これからエネルギー変換効率(電気エネルギー/機械エネルギー)は15%と算出されます。
大型の発電機の試作も行っています。右の図は,3×15×100mmの磁歪素子を利用した大型の発電機で,自由振動時の振動と電圧を,抵抗負荷があり(33Ω)となし(開放)で測定した結果です。開放電圧で25V,負荷を繋げた瞬間電力で2Wを確認しています。また負荷を繋げた場合,振動が早く減衰することがわかります。これは発電で適度な電流がコイルに流れ,これに伴い発生する磁歪素子の伸縮が振動を打ち消そうとする制動力として作用するからです。
これまでに得られた知見をまとめます。
- 発生電圧は数~数十V(大きさに依存),発生電力は体積密度で20mW/cm3以上(振動発電で最高レベル)です。
- 変換効率は20~30%,与えた機械エネルギーの最大3割が電気エネルギーに変換できます。
- 共振現象を利用すると高効率,高出力の発電を行います。(1.2は共振振動の場合です。)
- 相当に大きな曲げや振動を与えない限り壊れません。
- 発電でLEDを光らせ,キャパシタに効率よくエネルギーを蓄えることができます。
- 発電と同時に振動減衰効果を発生します。
- 高い周波数の振動を利用することで,大きな電力を取り出せます。
発電の動画 (2014年)
実用を想定した簡単なデモ機において発電機の性能を確認しています。
電動歯ブラシによる発電のデモ発電機(小型タイプ)を電動歯ブラシの先端に取り付け振らした時(1mm振幅200Hz程度)の発電の様子です。24個の1W青色パワーLEDを同時に点灯させています。かなりの振動ですが発電機は壊れません。 |
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押しボタンによる発電発電機と押しボタンを組み合わせた発電スイッチです。磁石を利用し押し込みで発電機かスイッチ板から脱着することで自由振動が発生し発電します。一回の押し込みで0.5mJ程度の電気エネルギーを取り出せ,デモでは40個の1W青色LEDを光らせています。電池が要らないリモコンへの応用を想定しています。 |
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無線センサシステムのデモ振動発電でセンサ信号を無線送信するデモです。左が送信機,右が受信機です。送信機では電動歯ブラシの発電で発生した電気エネルギーでマイコンを動作させ,照度センサの信号を無線で送信しています。5~10秒毎に信号の送信し,受信すると受信機のランプが光ります。電池が要らないワイヤレスセンサネットワークへの応用を想定しています。 |
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発電する床板の下に発電機を配置し,押しボタンと同じ原理で人が踏むと発電する床です。大型の発電機を利用しています。動画では1W白色パワーLEDが200個が点灯しており,最大10W程度の電力が取り出せます。 |
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衝撃(叩いて)で発電単3電池程度の大きさの発電機を棒に取り付け,コツコツ叩くと瞬間的に大きな電力が発生します。目には見えないですが,高い周波数の振動が発生しています。強く叩いても壊れません。1W白色LED80個を同じ点灯させる電圧が発生します。 |