発電乳母車

乳母車に発電デバイスを搭載しました。車輪の回転でLEDが点滅します。


 金沢大学の技術支援センターで振動発電デバイスを乳母車に搭載した試作実験を行いました。デバイスは、写真のように車の後部フレームに固定しました(下の写真参照)。デバイスの長さはおよそ8cm程度で、磁歪材料として6mm幅、0.5mm厚、12mm長の鉄ガリウム合金を利用しました。デバイス先端と対向する車輪には永久磁石が付いています。磁石の極性は反発する向きで、車輪が回転する毎に、デバイスに反発力が作用し、その力の変化で振動が発生し、発電が行われます。またデバイスには4個のLEDがパネルが接続され、それらは車の前面2箇所、後面2箇所に配置されています。よって車を押すと、4個のLEDが同時に点滅します。夜間でも十分な明るさです。磁歪式の発生電流は大きく、実際には、より沢山のLEDでも点滅します。
 これは自転車にも応用できます。夜間、LEDの点滅で周囲に注意を喚起することで安全に寄与します。現在、電池式がありますが、電池の交換が必要です。課題として、磁石の反発を利用することで、少し力を感じます。また磁石は鉄粉を引き寄せるので、できれば磁石を利用しない、例えば弾く機構を利用した方がよいです。またパチパチという音が問題になりますが、デバイスを小さくすればそれほど気にならないと思います。デバイスはもっと小さくすることも可能です。
 本研究は科学研究費補助金(奨励研究)を受けて行われました。

2016年2月29日 公開 (文責 上野 敏幸)

          

















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